「配当金で不労所得を得たい」「安定的な収入源が欲しい」といった理由で高配当株投資を始める人は増えています。しかし、その魅力的な表面の裏には、すべての人にとって最適な投資手法ではないという現実もあります。
この記事では、高配当株投資が向かない人の具体的な特徴と、その理由を詳しく解説します。「高配当株投資流行っているから、自分も適当にやってみよう」と思っている人は要注意!
高配当株投資をする前にどんなことに気をつけなければならないのかを確認しましょう!
また、代替となる投資方法についても紹介しますので、「自分に合った投資スタイルを知りたい」という方はぜひ最後までご覧ください!
長期的な資産形成を目指している人
高配当株投資は、一見すると定期的なリターンが魅力的に映りますが、長期的な資産形成を目指す人にとっては以下のようなデメリットがあります。
- 配当金の再投資効率が悪い
配当金を受け取ると、その都度NISA枠を消費したり課税対象になったりするため、インデックスファンドのような自動再投資による複利効果を最大化しづらくなります。 - 配当金にかかる税負担
日本では配当に対して20.315%の税金がかかります。再投資時の原資が目減りするため、複利の恩恵を十分に享受できません。
株価の成長を重視する人
「株価が上がることによる資産の拡大」を重視するタイプの投資家にも、高配当株はミスマッチです。
- 値上がり益を得にくい
配当利回りの高い企業は、成長よりも安定志向。株価が劇的に伸びるケースは少ないのが実情です。そのため、高配当株を購入した後も、配当金はもらえているが、株価はマイナスなんてことがざらにあります。 - 成長資金を配当に回している
成長企業は収益を事業拡大に再投資しますが、高配当株ではその多くが配当に回されるため、企業の将来性が限定的になる傾向があります。どちらかというと、成熟した企業が高配当株銘柄には多い印象です。
企業分析が苦手な人・投資の手間を省きたい人
高配当株で安定的に配当を得るには、銘柄選定のための分析が欠かせません。以下のような作業が必要です。
- 業績や財務内容のチェック
減配・無配のリスクを避けるには、企業の決算状況や業界動向を丁寧に読み解く必要があります。 - 配当性向の確認
利益の範囲を超えた無理な配当をしている企業を避けるためには、配当性向などの指標を継続的にチェックしなければなりません。 - 複数の指標を総合的に判断
配当利回りだけでなく、営業利益・純利益・ROE・自己資本比率など複数の指標を組み合わせて評価する必要があります。
短期的に大きな利益を望む人
高配当株は、いわば「じっくり型」の投資。以下のような期待を持つ人には、ミスマッチとなる可能性が高いです。
- 配当金は少額からの積み上げ
高配当株は毎月のキャッシュフローを作るには向いていますが、資産を短期間で大きく増やすには不向きです。 - 安定志向の性質
大きなリターンよりも、少しずつ家計を支えたり、老後の足しにしたりするスタイルに合った投資法です。
理論的な裏付けを重視する人
「合理性」や「学術的根拠」に価値を置く投資家には、高配当株投資は選択肢として弱い面があります。
- インデックス投資の方が理論的に優れている
インデックス投資は現代ポートフォリオ理論や効率的市場仮説など、ノーベル賞を受けた理論をベースにしています。 - トータルリターンを重視すべき
配当収入だけでなく、株価変動を含めたリターンで考えると、高配当株投資は最適解ではないこともあります。
株価の上下に一喜一憂してしまう人
高配当株は「安定していそう」と思われがちですが、実際には以下のようなリスクもあります。
- 株価変動リスク
配当があるからといって、株価が下がらないわけではありません。むしろ景気敏感な銘柄が多く、暴落時に大きな値下がりをすることも。 - 精神的な負担が大きい
含み損を抱えたまま配当を受け取っていても、資産が減っている状況にストレスを感じやすいです。
(個人的)配当金のお知らせが書面でくるのが嫌な人
私が高配当株を始めて、面倒だなと思った点として配当金のお知らせが郵送でくるということです…
これは1社ごとにきます。なので、100社持ってたら、年間100枚以上きます(笑)
私は全部捨ててますが、この点はなんとかしてほしい点ですね^^;
高配当株投資が向かない人のための代替案

高配当株投資が合わないと感じた方は、次のような投資方法も検討してみましょう。
- 全世界株やS&P500,日経225などのインデックス投資
自動で再投資される仕組みがあり、長期的に資産を効率よく増やすことができます。 - 不動産クラウドファンディング
株式ほどの価格変動がなく、比較的安定した収入が期待できる商品も多く存在します。
まとめ 高配当株投資は万人向けではない
高配当株投資は「不労所得」や「配当生活」といったイメージから、多くの個人投資家に注目されています。しかし、実際には長期的に資産形成を目指す人、成長株に投資したい人、銘柄分析が苦手な人、短期でリターンを得たい人、値動きに敏感な人には適していない可能性があります。
自分自身の投資目的、時間的リソース、リスク許容度をしっかり見つめ直したうえで、自分にとって最適な投資スタイルを選ぶことが、資産形成を成功させる近道です。
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